ndjc2022「長編映画の企画・脚本開発サポート」で開発した、坂本悠花里監督『白の花実』が、第73回サン・セバスティアン国際映画祭(開催期間9月19日(金)〜27日(土)※スペイン現地時間)のNew Directors部門に正式招待され、ワールドプレミア上映とQ&Aが実施されました。
当プロジェクトにおいて記念すべき映画化第一号となる本作は、坂本監督の長編デビュー作となります。坂本監督はプロジェクト内で企画・脚本の開発とパイロット映像制作、それらを用いて映画製作者に向けたプレゼンテーションを行い、そこから講師でもあった山本晃久氏がプロデューサーとなり映画化に向けて歩み続けてきた結果、今回の大きな成果にたどり着きました。
なおNew Directors部門は、濱口竜介監督やジョナサン・グレイザー監督(『関心領域』)など名だたる映画監督たちの登竜門として知られており、なかでも本作はクロージング作品での招待ということで、本部門のラストを飾る作品として注目を集めました。
映画祭には坂本監督と主演の美絽さんが参加し、上映後は約600人もの観客からスタンディングオベーションと鳴り止まぬ拍手に包まれ「見たことのない、新しい少女映画」、「泣きたくなるほど美しい!」などの声が集まり、映画の世界観をしっかり届けることができたと共に高評価を得られたことが伺えました。
《坂本悠花里監督コメント》
この企画を考えていた時は、まさか自分の企画が映画化され、サン・セバスティアン国際映画祭に行くとは思ってもいませんでした。企画を実現することを助けてくださった方々のおかげで、作品が生まれたことに本当に感謝しています。
上映後、主演の美絽さんとともにあたたかい拍手を受けながら、スタッフやキャスト、お世話になった方の顔が浮かび、自分がその場にいることを噛み締めていました。スポットライト越しに見たスクリーンに映るエンドクレジットは忘れられない光景です。
これはndjcのコンペティションから始まった企画です。あの時、諦めないで応募してみてよかったと心から思っています。12/26の日本での公開にもどうぞ興味を持っていただければ幸いです!
さらに東京国際映画祭2025(開催期間10月27日(月)〜11月5日(水))でも、Nippon Cinema Nowにてアジアン・プレミアが決定!
国内外で注目を集める『白の花実』は、12月26日(金) 新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開となります。
『白の花実』2025年12月26日(金)全国公開
【STORY】
周囲に馴染めず、転校を繰り返してきた少女・杏菜。たどり着いたのは、静かな森の奥にある全寮制の女子校。その寄宿舎で彼女を迎えたルームメイトは、美しく、完璧で、誰からも好かれる少女・莉花だった。しかし間もなく、莉花は屋上から身を投げ、自ら命を絶った。
残されたのは、一冊の≪日記≫。そこには、笑顔の裏に潜んでいた苦悩、怒り、痛み—— そして、幼なじみ・栞との記憶や、言葉にできなかった“ある想い”が綴られていた。 杏菜が≪日記≫を読み進めるうちに、青白く揺れる鬼火のような“魂”が現れる。それはまるで、莉花の魂そのもののように、静かに、杏菜の中へと入り込んでいく。
一方の栞は、杏菜を「変わった子」だと遠ざけていた。だが、杏菜を通じて莉花の魂に導かれるように、次第にふたりは歩み寄っていく。「完璧な少女は、なぜ飛び降りたのか?」その問いはやがて、生き残った少女たちの心に深く染みわたり、それぞれの“わたし”が、静かに揺らぎはじめる――。
監督・脚本・編集:坂本悠花里
キャスト:
美絽 池端杏慈 蒼戸虹子
河井青葉 岩瀬亮 山村崇子 永野宗典 田中佐季
伊藤歩 吉原光夫 / 門脇麦
プロデューサー:山本晃久
製作·配給:ビターズ・エンド
制作プロダクション:キアロスクロ
英題: White Flowers and Fruits
©2025 BITTERS END/CHIAROSCURO
2025年/日本/カラー/DCP/5.1ch/ビスタ/110分
12月26日(金)新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開